皆さん、こんにちは。
知育活動をこれから始めようとされる方、既に鋭意取り組まれている方。
周りの方から、「知育」について、アドバイスをもらうことがありますか?
私の場合は、自分の家族や先輩などの子育て経験者が、主に子育て全般において、色々とアドバイスをくれました。しかし、知育についてのほとんどは、自分で調べ、検証・探求しています。人任せにしないぶん、何らか課題が発生しても親の私たちで判断しやすく、結果的にとても良い方向だと感じています。やはり、子どもの細かいニュアンスは、周りとは共有しずらいですね。
さて、そのようにして知育方法を探っているうちに、巡り合った本があります。それが、今回ご紹介する書籍「ニキーチンの知育遊び」です。
この本は、既に、知育パズル「ニキーチンの積み木」の記事でご紹介をしています。なぜなら、同書に、そのパズルの遊び方や、必要玩具の制作方法が掲載されているためです。なんと、著者のニキーチン氏が考案した「ニキーチンの積み木」「ユニキューブ」「みんなの積み木」などの知育遊びは、同書にて、玩具の自作が推奨されているのです。
しかし、その玩具の作り方や遊び方を知るためだけに、同書を購入するのは非常にもったいないのです。その方法以外に、凝縮された「知育活動の本質」に触れられる記述がたくさんあるからです。
特にこれから知育活動に取り組まれる方に、おすすめです。ぜひ一度ご覧ください。
「ニキーチンの知育あそび」はこんな本です
知育活動をどうやって行うべきかがわかる
同書は、約35年前に発刊され、同氏が考案した知育パズル「ニキーチンの積み木」「みんなの積み木」「ユニキューブ」の遊び方が記載されています。知育玩具を探していて、ニキーチン氏が考案したパズルを知ることが多いでしょうから、どちらかというと、その遊び方に目がいきがちです。ですが、本書の第1章から第3章、「知力ののびを助ける親の役割」「知育遊びはどんな遊びか」「子どもとの遊び方」は、必読箇所だと思います。
宇宙飛行の父、ツィオルコフスキーは、創造的知性の誕生の秘密をのぞかせてくれるような、次の言葉をのこしています。「最初、わたしは多くの人に知られている真実を発見した。ついで、いくらかの人たちに知られている真実を発見し、最後に、だれにも知られていない真実を発見するようになった」
知性の創造的な面が確立される道すじ、発明の才や研究者としての才が発達する道すじは、おそらく、こういうものだとおもいます。私たち大人がしなければならないのは、子供たちをこの道すじの上にのせてやることです。
「1986年 暮しの手帖社 出版
『ニキーチンの知育遊び』59Pより引用」
能力を伸ばすために親が行うべき「法則」が分かる
知育活動を「どこまで親が手伝って良いのか」は、親と子の知育活動経験によってわかってくるものです。しかし、同時に、疑問点もつどつど発生します。そして、そのたびに考え、仮説・検証に取り組むことで、知育・教育の本質が見え、家庭毎の知育方法が出来上がってくるわけです。
同書は、そのような知育活動の全体像を、早期に見せてくれます。「まったなし」の子育てで、このことは、きっと心強いことでしょう。
たとえば、子供に、何らかの知育遊びを提示したい時。
「子供のやりたいようにやらせる。何をやるのかも自由とすると、親の思うようにならないことが、ままあります。知育玩具しかり。そのまま放置しておくと、お蔵入りします・・・どうしたものか」
このような疑問に、同書は次のような提案をしています。
「かといって、手をこまねいて、子どもにやる気がおこるのを待っていなければならないわけでもありません。子どもの気持をうごがし、知育遊びに関心をもつようにしむける必要があります。では、どのようにしてか。たとえば近所の子供たちをよんで、『模様づくり』や『形おぼえ』の”協議会”をやるのもいいでしょう。
「1986年 暮しの手帖社 出版
『ニキーチンの知育遊び』73Pより引用」
”競技会”はあくまで例ですね。子供の興味を積極的に喚起することは良いと言っているわけです。このように、子供の自主性を尊重するといいながら、その自主性を引き出すような取り組みが良いか否かは、意外と思い違いをするかもしれません(私とか)。
知育のリアルな体験からの考察が、参考となるでしょう。
ニキーチン氏の考察を私たちの知育活動に活かそう
ニキーチン氏は、子供に対する働きかけ方を重要視していました。そして、このことは、子育てに携わる方なら誰しも共感することでしょう。そして、知育活動で大事なことのひとつである、「子供とのやりとり」が、子供の将来を大きく左右することは、皆さんも感じ取られているのではないでしょうか。
たとえば、次のようなシーンは、皆さんの知育活動にありませんか?
『知育遊びで、いちばん大事なルールは、「子どもに代わって大人が問題を解かないこと。言葉や身ぶりで傍から教えてやらないこと」です。』
『でないと、子供は、自分の行動を自分の作業の結果で判断せずに、周囲の人のいうことを基準に判断するようになるからです』
「1986年 暮しの手帖社 出版
『ニキーチンの知育遊び』74Pより引用」
私は、相槌のような助け船を少し出していたかもしれません。
たとえば、タングラムの途中で、「これは(ここまでは)良い?」というような質問をします。もちろん、今となっては、「できるまでやってみて」と返して、反応しません。しかし、そんな質問をするくらいですから、どこかで助け船を出していた可能性があります。
これは、「どうだろうなー?」などという、助けていないと思える回答でも、子供は親の反応をなんとか見て取ろうとする動きをします笑 「ここまではOK」とわかれば、選択肢が狭まるからあとは簡単になる」という知恵が回っているのかもしれません。
このやり取りは、本来とてもかわいいものです。
ただ、ニキーチン氏いわく「なんでも相手の確認を取る」ようになってしまうのであれば、知育上は好ましくありませんね。
いかがでしたでしょうか。この本の良さと雰囲気を伝えたく、引用を多くしご紹介いたしました。きっと、同氏のリアルな知育体験と考察、明文化が、私も含め、親が取り組む知育活動に長く活きると思っています。
もし何か響くことがあれば、図書館などでもお手に取られると良いでしょう。
皆さまの知育活動の一助となれば幸いです。
「最後に」
ニキーチン氏が考案した玩具は、それぞれ自作が可能です。
「ニキーチンの積み木」の模様づくりは何歳から取り組めるの?そのほかにおススメの玩具は?をまとめました。
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