みなさま、長介(ちょうすけ)です。
いかがお過ごしでしょうか。
私はといえば、いつの日も、まとまった時間に、自身や家族の計画、執心中の知育計画も考えようと思っております。しかし、まとまった暦上の休みが到来しても、やりたいこと、やっておきたい事柄は膨大にあり、また遅々として進まず、いつも時間的余裕はないのであります。
さて、そんな私の日常でありますが、以前も今も気にしている「非認知能力」を意識し、知育活動に取り組んでゆこうと考えています。
ところで皆さん、この「非認知能力」なるものを、ご存じですか?
書店の子育てコーナーでも、その関連本が数多く並んでいたりと、なにかと話題に上っている言葉です。
簡単に言ってしまうと、読み、書き、計算など、学力テストなどで測定し数値化できる能力を「認知能力」、数値化が難しい能力が非認知能力です。
すなわち、忍耐力、自制力、創造力、目標達成への情熱、社会性、思いやり、自信、主体性、ストレス耐性・回復力など、いわゆる人間力ともいえるような能力の総称を非認知能力といいます。
これら「非認知能力」は、言葉としては馴染みが薄いかもしれませんが、およそ社会で何か物事を成し遂げるためには前提の能力です。
そして、実際には、これらの能力向上には何も特別なツールは必要なく、日常的な子育てにおいて働きかけられるといわれています。
たとえば、パズルなどの知育活動は、忍耐力や創造性などに刺激を与え、伸ばすことができます。また、他者とのコミュニケーション能力や、社会適応能力などは、公園や保育園、おもちゃ屋さんでのおもちゃの取り合い譲り合いでも、育まれる機会が見つかるでしょう。
さらに、ストレス耐性は、オキシトシンという、別名「愛情ホルモン」の分泌によっても、高まるそう。親が赤ちゃんの時からスキンシップを取っていると、脳自体がオキシトシンを出しやすいように変わり、ストレスに強くなることが科学的に立証されているのだとか。これは、この知育ページに来訪される位ですから、もともとお持ちの子供への愛情を存分に発揮すれば、きっとプラスに働いてゆくことでしょう。
しかし、私が気になっていたのは、このような非認知能力を、「どうすればより効果的に取り組めるか」ということです。
ウチの場合もそうなのですが、特に子供が3歳を過ぎると、幼稚園に通いはじめたり、習い事をはじめたり、その他の課外活動も活発になりはじめますよね。そして、このような環境をより良い能力向上の機会にするために、知育活動と同様に、働きかけ方を知っておきたいと思うのです。
そこで、今回、非認知能力への働きかけ方を考察してみます。
子育てに取り組んでいる方、非認知能力というキーワードに気になっている方に、参考となれば幸いです。
最近よく聞かれる「非認知能力」とは
非認知能力は、気質や性格的特徴のようなものを指します。
非認知能力は、「意欲」「忍耐力」「感情などのコントロール力(自制心)「社会的適性(リーダーシップや社交性など)」「回復力・対応力」「創造性」のような名称で大別することができるようです。日本でも、2017年に、非認知能力向上に向けた指導要領の改定が行われ、保育所・幼稚園教育にも反映されつつあります。
「非認知能力」は、アメリカの経済学者の研究が発端。
世界が注目し、日本にも伝播してきた「非認知能力」。そのキッカケとなったのが、ノーベル経済学賞の受賞者・ジェームス・ヘックマン氏による研究結果です。
研究の内容は、幼児教育が受けられない世帯の3~4歳の子供約100人あまりを対象に、2年間のプリスクールへの通学を支援。
そして、40歳時点での追跡調査により、プリスクールに通ったグループは、通わなかったグループに比べて、収入や持ち家率、学歴が高いといった結果が判明しました。
そこで研究チームは、収入や学歴などの違いは、すぐ差異が消失してしまったIQによるものでなく、プリスクールに通うことで身に付けた「非認知能力」が大きな要因ではないかと位置づけたのです。
「非認知能力」はどうやったら鍛えられるのか
非認知能力は、子育てを通じて刺激される領域のため、日々の取り組みのなかで鍛えられるものです。また、幼児期のみならず、成人後も鍛えられる類のものも少なくないようです。
重要な非認知能力のひとつとしてご紹介した「自制心」は、「筋肉」のように鍛えるとよいといわれています。筋肉を鍛えるときに重要なことは、継続と反復です。腹筋や腕立て伏せのように、自制心も、何かを繰り返し継続的に行うことで向上します。
(学力の経済学・非認知能力を鍛える方法より引用)
まさしく、「やりたくないけど頑張る」「やりたいけど我慢する」のような局面で育める能力ですね。
そして、その非認知能力を伸ばす、日常生活における「働きかけの例」も、一般専門書にて見つけることができます。
◎警告は子どもの積極性をつぶさないように。
「それをちしゃダメ。まだ小さいんだから」というと、あなたが子どもを信頼していないというメッセージを与えることになる。おまけに、そのような警告は、リスクを負って新しいことにチャレンジしようとする子どもの積極性に制限を課すことになる。この場合は、「安全だと思うなら試してみなさい」と言ったほうがいい。大抵の子どもは危険な時に踏むべきブレーキを内蔵している。あなたの子どもがブレーキの踏み方を理解していないように思えるなら、「あなたがやってみるときには、そばにいてあげるわ」と言えばいいだろう。
(「自分の頭で考える子」になる育て方・独立心を育てる13のステップより引用)
日常生活での「非認知能力」を伸ばすキッカケとは何か
3歳を過ぎるころになると、家庭での知育活動のみならず、様々な外部環境で学ぶことの重要性も見えてきました。お店で玩具の譲り合いを自ら学ぶ、水泳やバレエなど、昇段試験や発表会などの目標に向かって、全身を使ってチャレンジする。そのどれもが、社会をリアルに学べる恰好の場ですよね。
たとえば、先日、私と子供が遊んでいるときに、次のようなワンシーンがありました。
先日、公園で遊んでいた時のこと。滑り台を滑りたいという子供を見守っていたところ、滑り台にあがる「はしご」の上段に泥がついていました。その泥が結構大きくて、足を欠けるときに靴がよごれてしまいます。うちの子供は、もっと小さい時から、靴がよごれることを嫌がる傾向がありました。芝生でないところを歩きたがりません(ふざけるな笑)。そのような傾向がある子供に立ちはだかる泥があり、立ち止まるというワンシーン。
これは、かなりレアなケースかもしれませんが(笑)、何か妙な理由で嫌がること、お子様の日常生活でもありませんか?
そして、そんな時に、どのような子供への働きかけが良いのか、いろいろ思うわけであります。たとえば、
親の私がサッとどかしてしまうか。そうしたら、何でも言えばやってくれると思ってしまい、すぐ頼るような楽な方向に流れてしまうのでは…
やりたいように自由にさせると、諦めるのが目に見えているなあ。そんなことばかりやってたら、諦め癖がついてしまうかも。我慢をして何かをやることを学ばせたいな…
とりあえず、達成したらご褒美をあげるという提示をするか。無理やり登らせるのはなぁ….
そこで私は、「どのような子に育てたいか」「現状、子どもがどのような状況にあるのか」の二つを意識し、「親の立ち回り方」をあらかじめ決めておこうと思うようになりました。
そうだ!育て方の方向性を決めて、親の役割を決めよう。
親も人間なので、子供は可愛いから過保護にしたくなりますし、時に強制したくなるときだってあります。それらの行動を親が自制するためには、どのように育てるか、そのためにどうするか、をあらかじめ決めておく方法が良いように思います。
つい先日、そのことを気づかせてくれた体験がありました。
公園で、妻と子供が自転車で探検をしている時、巨大な滑り台を目の前にしてベンチに座ってボーっとしていた時のこと。とある外国人ファミリーの、3歳頃の子供が、滑り台のハシゴを登っていました。その子のダディは、子供が落下しても助けにいけない場所で、しっかりと見守っています。
一方、同じ滑り台で子供を遊ばせている日本人のパパは、ハシゴを登っている子供のすぐ後ろで、手を貸さずに見守っています。私も、子供がハシゴを登っている時はほぼ全て、落ちそうな時は後ろで手を差し伸ばせる距離間で立つようにしています。そのため、外国人ダディが遠巻きに子供を見ているときは、大丈夫かな、いろんな親がいるなーなどと思っていました。
そして、積読していた本を読んでいた時のこと。
日本人はしつけのために褒めるが、アメリカ人は自立心を育てるために褒める
”アメリカ人の子育てで特徴的なのが「褒める」ことです。”
”ただし、日本人が形だけアメリカをマネて子どもを「えらいね」と褒めていると、ちょっとちぐはぐなことになるのです。
というのも、アメリカ人の子育ては「自立心を育てる」目的が根底にあります。だから子どもを褒める時は「一人でできてすごいね!」「人の手を借りないでできたね!」という「自立への賞賛」の気持ちが込められているのです。”
(「世界標準の子育て・第2章」より引用)
外国人ファミリーの動き方が教育法がリンクした時でした。見守りダディはきっとアメリカ人(笑)
さらに、以前に読んだことのある記事を思い出し、調べてみると、また内容がリンクすることを発見。
アマゾンのCEOジェフ・べゾス氏によると、べゾス夫妻は子どもに幼い頃からナイフや電動工具を使わせている。
・科学的な研究の結果、リスクを取る自由があることは、子どもにとっても大きなメリットになる。
・過保護な親に育てられた子どもは、成長してから自分が大人になるのはふさわしくない、準備ができていないと感じるようになる。
(BUSINESS INSIDER: 「ジェフ・ベゾス氏は小さな子どもにナイフや電動工具を使わせる —— その理由とは?」より引用)
今回は、自制心や対処法を子供が学ぶための事例でしたが、その事例が重なり、リンクすることで、自身に対する説得性が高まってきました。
共通点は、子育ての方向性を見定め、その方向に進むよう、必要最低限のことを親が担うというものです。その必要最低限はどの程度なのか、どういう内容なのかを、親としての考えをまとめておくことが必要なのでしょう。
なお、上記でご紹介した本以外にも、認知能力の向上に向け、様々な働きかけ方がまとまっている書籍が多数あります。関心のある方は、ぜひお手に取られてみてはいかがでしょうか。
・非認知能力は、人を形成する土台的な能力で、社会での活躍に必要不可欠です。
・非認知能力アップに活かせる題材・教材は、実社会のそこら中にあります。
・大枠を定めて方法を練るように、子供をどうやって育てるか、導くかを具体化するため、自身の子育て方針を定めましょう。
・グローバルに通用する人材として育てるには、グローバル環境で培われた子育て論を学び、反映することも重要といえます。
【 ご紹介した本はこちらから購入できます 】
【 非認知能力を高める知育玩具についてまとめました】